求人に応募する際には、履歴書とともに職務経歴書の提出が求められます。募集しているポジションで活躍できる経験・スキルを持っていたとしても、職務経歴書でそれが正しく伝わらなければ面接へ進むことができません。
そこで、職務経歴書で強みを伝えるための書き方のポイントについて、リクルートのコンサルタントがアドバイスいたします。職務経歴書を初めて作成する方には見本のテンプレートも用意していますので、ダウンロードしてご活用ください。
施工管理の職務経歴書のテンプレート見本【フォーマットダウンロード】
施工管理の職務経歴書のサンプルをご紹介します。書き方を参考にしてみてください。
リンク先よりダウンロードも可能ですので、見本を参考にしながらご自身の経歴を記入し、職務経歴書を作成しましょう。
施工管理の職務経歴書の書き方のポイント
施工管理の方々が職務経歴を記載する際、意識しておきたいポイント、積極的にアピールしたい経験・スキルなどをお伝えします。
「工事経歴書」の記載項目をベースに作成
施工管理の方々が普段の業務で作成している「工事経歴書」。採用担当者が選考に際して知りたい経歴の多くは、工事経歴書の記載項目と一致しています。例えば、「発注者」「元請か下請か」「工事名」「金額」「工期」などが該当しますが、自身が担当した工事経歴書の内容を、ほぼそのまま職務経歴書に引用してもいいでしょう。要するに、「どのような物件を」「どのような立場で」手がけてきたかが伝わればいいのです。
ただし「発注者」については、企業名・施主名などは伏せ「某メーカー」「某物流デベロッパー」といった表記に変えても問題ありません。金額についても、大まかな規模感が伝われば厳密な額の記載は不要です。
構造・用途は「経験の幅広さ」を伝える
経験豊富なベテラン層の方々の場合、工事経歴を職務経歴書に書ききれず、一部を抜粋して記載することもあるでしょう。手がけた建築物の構造・用途などが複数の種類にわたる場合、なるべく「経験の幅広さ」が伝わるように記載内容を選ぶことを心がけてください。
例えば、「経験の9割はマンションだが、1割ほどはオフィスビルを経験している」といった場合、経験の大半がマンションのためオフィスビルは記載しなくてもいいと思うかもしれませんが、どちらも必ず記載しておきましょう。また、「基本はアパートだが、1軒だけ小型の民泊ホテルを手がけた」ということがあれば、その1軒の実績を漏らさず記載します。手がけた物件のラインナップが多岐にわたるほど、企業の目に留まる可能性、評価をされる可能性が高まります。
CADスキルも記載する
施工図の修正などでCADを使用している方は、施工図の修正経験がある旨を、扱えるCADソフト名(AutoCAD/Jw_cadなど)を添えて記載しましょう。必要とされるかどうかは応募先企業によりますが、発注元企業と打ち合わせをする際に、図面が読めたり簡単な手直しができたりするスキルが歓迎されることがあります。
ニーズが高い経験は詳細を記載してアピールする
以下に挙げるキーワードは、昨今の施工管理の中途採用市場でニーズが高く、職務経歴書に記載しておくとプラス評価につながります。経験の多少に関わらず、これらに関連する経験をお持ちの場合は、積極的に記載することでアピール効果が高まるでしょう。
●建設テック/建設DX
「建設テック(CON-TECH)」「建設DX」などの経験があるとプラス評価につながります。例えば、BIM/CIMや施工管理系アプリなどを少しでも扱った経験があれば、記載しておくとアピールとして有効です。
●リスクマネジメントの知見・経験
不祥事の発覚やSNSでの炎上など、トラブル発生への危機感を強め、対策を講じている企業も多数。「危機管理広報」の知見や経験を持つ広報人材へのニーズも高まっています。
●働き方改革/生産性向上
建設業では、長時間労働を是正するため、働き方改革に力を入れています。業務管理アプリといったITサービスを導入・活用するなど、生産性向上に取り組んで成果を挙げた経験があれば、ぜひ記載しましょう。
●所長としての実績
「所長経験」を求める企業は多数。所長として現場で利益を出してきた経験は高く評価されるため、「利益率」などの数字を添えてアピールするといいでしょう。
職務経歴書の書き方のコツ
職務経歴書で大切なのは、まず「読みやすさ」「わかりやすさ」です。
また、経験豊富であるほど職務経歴の記載が多くなり、強みがどこにあるのかが伝わりにくいことがあります。
作成する際には以下のポイントを踏まえ、よりアピール効果が高い職務経歴書に仕上げましょう。
事前に職務経歴を整理し、アピールしたい経験を強調する
職務経歴書を作成するにあたっては、まず、これまでの「所属企業・部署・チーム」「手がけた業務」「成果」「身に付けたスキル」などをすべて書き出します。
ただし、職務経験・実績が多い方ほど、そのまま羅列するだけではアピールしたい経験・スキルや得意分野が採用担当者に伝わりにくくなります。
そこで、職務経歴書に落とし込む際にはメリハリをつけて記載するようにしましょう。
アピールしたい経験や強みについては、「成果」をはじめ、「成果に至るまでのプロセスや独自の工夫」などまで簡潔に記しておくと、読み手が「入社後の活躍イメージ」を描きやすくなります。
特にアピールしたいポイントは、冒頭に100文字程度の「職務要約」を記載しておくといいでしょう。
一方、これから目指すポジションと関連が薄い経験・スキルについては、簡潔な記載にとどめます。
読みやすいレイアウトを心掛ける
職務経験が多い、かつ過去に所属していた企業の事業内容や担当業務内容が直近の仕事と大きく異なる場合などは、直近の仕事内容から書き始め、時系列をさかのぼって職歴を記載する「逆編年体形式」のレイアウトにすると読み手に伝わりやすくなります。
また、レイアウトには統一感を持たせましょう。「年・月」「企業名」「部署名」などを記載する位置、各項目の見出し、本文の頭出し位置などを揃えておきます。フォントもすべて統一しましょう。
書き方見本が記入されているフォーマットをダウンロードして使う場合、見本の文言を流用する部分と自身で入力する部分とでフォントが異なってしまうことがあるため、注意が必要です。
文章だけでなく箇条書きも活用する
文章だけがつらつらと綴られた文書は、見た瞬間に「読むのが面倒」という印象を抱かれるものです。適度に「箇条書き」を活用することでリズムが生まれ、読みやすくなって採用担当者の負担感が軽減されます。
冒頭に「●」「・」をつけたり、項目を【 】で立てたりして、記載情報を整理しましょう。
例えば、次のような項目の記載には、箇条書きを使うとわかりやすくなります。
・業務内容が伝わる数字(担当顧客数/マネジメント対象メンバー数/プロジェクトの規模・期間など)
・業務で活用した技術、ツールなど
・成果が伝わる数字(売上実績/目標達成率など)
・課題とそれに対する戦略、独自に工夫したことなど
職務経歴書を作成する際の関連ノウハウ記事一覧
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箕輪真人
新卒入社した金融機関を経て、株式会社リクルートに入社。住宅領域の営業として活動後、2007年より建設業界/不動産業界のコンサルタントとして転職支援に従事。近年は建設業における女性活躍推進にも取り組み、労働環境改善を目的とする転職サポートに強みを持つ。
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