職務経歴書は、ある程度フォーマット化されている履歴書とは違い、求職者自身が自由に形式を選んで書くため、どのように書けばいいのか迷う方も多いのでは。そこで、職務経歴書を書く時のフォーマットの正しい選び方と、書き進める際のポイントについてご紹介します。
職務経歴書を書く前に、軸となる経験・スキルを明確にする
職務経歴書を書くうえで、最初に取り組んでおきたいのが、自分自身の職歴・スキルを明確化する作業です。特に30代以降になると経験・スキルが増えるため、あらかじめ軸を明確にしておかないと、まとまりのない職務経歴書になる可能性があります。また、転職回数が多い方やキャリアチェンジをしている方も、あらかじめ軸となる経験・スキルを洗い出しておきましょう。
そこで、職務経歴書を書く前に、まずは過去の職歴をすべて書き出し、整理してみましょう。そして、応募するポジションを考慮し、これまでの経験のなかで「何を強みとして転職するのか」を明確にすることが大切です。
軸に合わせた職務経歴書のフォーマットを決める
これまでの経験を書き出し、軸となる職歴・スキルが整理できたら、その軸に合わせた職務経歴書のフォーマットを決めていきます。職務経歴書のフォーマットには、以下のように大きく「編年体式」「逆編年体式」「キャリア式」の3タイプがあるので、それぞれの特性を踏まえたうえで、何をアピールするのかを考慮しながら最適なフォーマットを選ぶようにしましょう。
編年体式
これまでの経験を時系列で紹介していく最もオーソドックスな形式です。これまで経験した事柄について、所属企業や部署、業務内容などを過去から順番に記載していきます。どちらかと言えば、社会人経験が浅い20代や、異動・転職の回数が少ない人に向いています。
履歴書と照らし合わせて読むことができるため、採用担当者に経歴が時系列で伝わりやすいのが特徴です。その一方で、転職回数が多い方や、直近の経験・スキルをアピールしたい方には、自分の強みが伝わりにくくなる可能性があります。
逆編年体式
読んで字のごとく、編年体式とは逆に、最近の職務経歴から順番に記載していく形式のことです。最大のメリットは、直近の実績を最初に記載できること。採用担当者に伝えたい経験・スキルが直近の業務に集中している場合には、より効果的にアピールすることが可能です。
逆編年体式の場合には、採用担当者に見てもらいたい部分を明確化することが重要です。直近の実績をより具体的に記載するといった工夫をするのもよいでしょう。
キャリア式
これまでの経験を時系列で書くのではなく、職務内容や職種ごとにまとめる形式のことです。どのような経験を積んできたのか、どのようなスキルを持っているのかが明確に伝わりやすくなります。また、時系列を軸にまとめる「編年体式」「逆編年体式」に比べて、転職回数が目立たなくなるという特徴もあります。
複数社を経験し、それぞれ職種が異なる場合や、専門的な技能・スキルをアピールしたい時などに向いている形式です。
職務経歴書を見やすくするためのポイントとは?
では、職務経歴書を見やすく作成するには、どのような点に注意したらよいのでしょうか。
レイアウトを揃える
職務経歴書を見やすくするための基本は、まずレイアウトをきちんと揃えることです。日付や名前を記載する位置、「職務経歴」「取得資格」などの各項目の見出しや本文の配置を決め、フォントサイズを揃えるようにします。
職務概要を入れる
これまでの職務経歴が一目で分かるように、最初に「職務概要」を記載しましょう。具体的な職務経歴に入るまえに、これまでの経験・スキルの概要を伝えるため、採用担当者側が瞬時に経歴を理解することができます。
文字の強弱や表組みなどデザインを整える
職務経歴を表組みにして整理する、見出しは太字にして強調する、といった工夫をするだけで、格段に見やすさがアップします。特に、デザインが単調になりがちな「編年体式」では、文字の強弱などでメリハリをつけると良いでしょう。
「プレゼン資料を作成する」というテクニックも
自分をアピールするツールとして、履歴書、職務経歴書以外に、プレゼン資料を用意するという方法もあります。プレゼン資料を作成することで、実績や強みを的確に伝えることができ、他の応募者との差別化が図れるなどのメリットがあります。
特にプレゼン資料が効果を発揮しやすい職種は、営業やコンサルタント、企画などです。顧客や社内関係者にプレゼンテーションを行うこと自体が仕事であり、業務に直結する「資料作成能力」「構成力」「プレゼンテーション能力」をアピールできるからです。
資料作成に自信があり、履歴書、職務経歴書の文面だけでは実績が説明しづらい場合には、ぜひ検討してみましょう。