求人に応募する際には、履歴書とともに職務経歴書の提出が求められます。募集しているポジションで活躍できる経験・スキルを持っていたとしても、職務経歴書でそれが正しく伝わらなければ面接へ進むことができません。
そこで、職務経歴書で強みを伝えるための書き方のポイントについて、リクルートのコンサルタントがアドバイスいたします。職務経歴書を初めて作成する方には見本のテンプレートも用意していますので、ダウンロードしてご活用ください。
プロジェクトマネジャー(PM)の職務経歴書のテンプレート見本【フォーマットダウンロード】
プロジェクトマネジャー(PM)の職務経歴書のサンプルをご紹介します。書き方を参考にしてみてください。リンク先よりダウンロードも可能なので、見本を参考にしながらご自身の経歴を記入し、職務経歴書を作成しましょう。
プロジェクトマネジャー(PM)の職務経歴書の書き方のポイント
プロジェクトマネジャー(PM)の方々が職務経歴を記載する際、意識しておきたいポイント、積極的にアピールしたい経験・スキルなどをお伝えします。
「開発経験」を省略せずに記載する
昨今、プロジェクトマネジャー(PM)の求人では、ハンズオンでプロジェクトをリードできる人材を求める傾向が見られます。開発工程の経験を経てPMへステップアップしているかどうかが注目されているので、過去の開発経験についても省略せず、言語・環境といったテクニカルスキルを具体的に記しましょう。
担当プロジェクトの「規模」を伝える
プロジェクトマネジャー(PM)経験者は、具体的な役割とともに、担当プロジェクトの「規模」によっても力量が測られます。職務経歴書にプロジェクト経験を記載する際には、「人数」「予算」「期間」などの数字を入れ、規模感が伝わるようにしましょう。なお、自社メンバーの人数だけでなく、パートナーまで含めたマネジメント対象メンバーの総数を記載したほうが規模感は正確に伝わります。
「課題への提案」「成果」を伝える
職務経歴書では、自身が手がけたシステムの概要説明に終始している方が多く見られます。しかし、「何を作ったか」だけでなく「何のために作ったか」を伝えることが重要です。「どのような課題に対し、どのような提案を行ったか」「システム導入によってどのような成果が挙がったか」も記載しましょう。
成果については、可能な範囲で「数値」で示します。例えば、業務改善であれば「10人のスタッフで2日かけて行っていた業務を、3人で4時間で実施できるように改善」「○○のコストを○%削減」、マーケティングであれば「新規顧客のリピート率○○%向上」などです。
ニーズが高い経験は詳細を記載してアピールする
以下に挙げる経験は、昨今のプロジェクトマネジャー(PM)の中途採用市場でニーズが高く、職務経歴書に記載しておくとプラス評価につながります。経験をお持ちの場合は、多少に関わらず積極的に記載することでアピール効果が高まるでしょう。
●「アジャイル」「スクラム」などの開発手法の経験
近年の開発プロジェクトでは、スピーディかつ変更への対応の柔軟性に優れた開発手法が主流になりつつあります。アジャイル開発、スクラム開発などの経験があると歓迎されます。
体系的な開発手法をとっていなくても、小規模な開発現場でトライ&エラーを繰り返して開発手法の改善を図ったような経験があれば、アピール材料になり得ます。
●オフショア開発のマネジメント経験
大規模なシステム開発プロジェクトにおいては、オフショア開発を活用しているケースも多数。オフショア開発のマネジメント経験もあればぜひ記載しておきましょう。
職務経歴書の書き方のコツ
職務経歴書で大切なのは、まず「読みやすさ」「わかりやすさ」です。
また、経験豊富であるほど職務経歴の記載が多くなり、強みがどこにあるのかが伝わりにくいことがあります。
作成する際には以下のポイントを踏まえ、よりアピール効果が高い職務経歴書に仕上げましょう。
事前に職務経歴を整理し、アピールしたい経験を強調する
職務経歴書を作成するにあたっては、まず、これまでの「所属企業・部署・チーム」「担当プロジェクト」「手がけた業務」「成果」「身に付けたスキル」などをすべて書き出します。
ただし、職務経験・実績が多い方ほど、そのまま羅列するだけではアピールしたい経験・スキルや得意分野が採用担当者に伝わりにくくなります。
そこで、職務経歴書に落とし込む際にはメリハリをつけて記載するようにしましょう。
以下の項目で構成するとポイントが伝わりやすくなります。
●職務要約
「どんな仕事をしてきたか」が簡潔に伝わるよう、100文字程度でまとめる
●活かせる経験・スキル
箇条書きで「できること」を記載する。キーワードを多く盛り込むのがポイント
<記載項目例>
・担当業界や業務知識
・プロジェクトマネジメント経験
・顧客折衝経験
・システム環境
・担当してきたプロジェクトの担当フェーズ
・組織マネジメント経験
・語学力
●資格
仕事に関連する保有資格を記載する
●表彰実績
表彰のポイントと合わせて記載する
●職務経歴
プロジェクト内容が一目でわかるよう表組にし、適宜「成果」も記載する
●自己PR
「仕事に対する姿勢・考え方」「志望動機」「経験を活かし、どのように貢献したいか」など
読みやすいレイアウトを心掛ける
職務経験が多い、かつ過去に所属していた企業の事業内容や担当業務内容が直近の仕事と大きく異なる場合などは、直近の仕事内容から書き始め、時系列をさかのぼって職歴を記載する「逆編年体形式」のレイアウトにすると読み手に伝わりやすくなります。
また、レイアウトには統一感を持たせましょう。「年・月」「企業名」「部署名」などを記載する位置、各項目の見出し、本文の頭出し位置などを揃えておきます。フォントもすべて統一しましょう。
書き方見本が記入されているフォーマットをダウンロードして使う場合、見本の文言を流用する部分と自身で入力する部分とでフォントが異なってしまうことがあるため、注意が必要です。
文章だけでなく箇条書きも活用する
文章だけがつらつらと綴られた文書は、見た瞬間に「読むのが面倒」という印象を抱かれるものです。適度に「箇条書き」を活用することでリズムが生まれ、読みやすくなって採用担当者の負担感が軽減されます。
冒頭に「●」「・」をつけたり、項目を【 】で立てたりして、記載情報を整理しましょう。
例えば、次のような項目の記載には、箇条書きを使うとわかりやすくなります。
・業務内容が伝わる数字(担当顧客数/マネジメント対象メンバー数/プロジェクトの規模・期間など)
・業務で活用した技術、ツールなど
・成果が伝わる数字(売上実績/目標達成率など)
・課題とそれに対する戦略、独自に工夫したことなど
職務経歴書を作成する際の関連ノウハウ記事一覧
職務経歴書の基本の書き方 (3種類テンプレート付) | 職務要約の書き方 | 職務内容の書き方 |
活かせる経験・知識・技術の書き方 | 資格の書き方 | 自己PRの書き方 |
志望動機の書き方 | 退職理由の書き方 | 役職の書き方 |
履歴書と職務経歴書の違い | 封筒の書き方 | 送付状(添え状)の書き方 |
複数社の経験がある場合の書き方 | 転職回数が多い場合の書き方 | PCスキルの書き方 |
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織田直子
日系IT企業でITコンサルティングに従事した後、リクルートキャリア(現リクルート)に入社。コンサルティングファーム(業務、ITコンサルタント、デジタル領域、リスク領域)、プロジェクトマネジャー、事業会社情報システム部門など、内資・外資問わずベンダー、SIer、コンサルティングファームに幅広く転職支援実績を持つ。
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