【リスクマネジメント(リスク管理)】職務経歴書の書き方と見本・テンプレートダウンロード

リスク管理 職務経歴書

求人に応募する際には、履歴書とともに職務経歴書の提出を求められることが一般的です。募集しているポジションで活躍できる経験・スキルを持っていたとしても、職務経歴書で伝わらなければ面接へ進むチャンスを逃す可能性も考えられます。そこで、リスクマネジメント(リスク管理)職への転職を希望する際の、職務経歴書で強みを伝えるための書き方のポイントを、リクルートエージェントのキャリアアドバイザーがアドバイスします。ダウンロード可能なテンプレートも用意していますので、ご活用ください。

リスクマネジメント(リスク管理)の職務経歴書のテンプレート見本【フォーマットダウンロード】

経営企画部門のリスクマネジメント経験者が、組織で全社のリスクを管理する「全社リスクマネジメント(Enterprise Risk Management=ERM)」部門へ転職を希望する場合の、職務経歴書のサンプルをご紹介します。リンク先からダウンロードも可能ですので、見本を参考にしながらご自身の経歴を記入し、職務経歴書を作成しましょう。

リスクマネジメント(リスク管理)の職務経歴書のテンプレート見本

リスク管理 職務経歴書の見本

リスクマネジメント(リスク管理)の職務経歴書で企業が見ているポイント

リスクマネジメント(リスク管理)職を希望する人の職務経歴書において、企業が見ているポイントには、主に次のものが挙げられます。

自社のリスクマネジメント(リスク管理)職に必要な経験・スキルがあるか

企業における「リスクマネジメント」や「リスク管理」には、幅広い領域があります。

例えば、「海外企業のM&Aにあたり現地の法的、地政学的リスクを評価する人材が欲しい」「セキュリティ対策や緊急時対応を強化するために、BCP(事業継続計画)体制の構築を経験した人材を採用したい」など。さらに「全社を横断するリスクマネジメント(リスク管理)の構築に向けて、組織の立ち上げをリードする人材を求めている」といったケースも見られ、企業の規模や成長フェーズ、抱えている課題などによって、企業が求める経験・スキルはそれぞれ異なります。

したがって、職務経歴書においても、自社が必要とするリスクマネジメント(リスク管理)職に合致する経験やスキルを有しているかどうかという点に企業は着目します。

リスクマネジメント(リスク管理)のプロセスで何を経験してきたか

各領域のリスクマネジメント(リスク管理)業務における、以下の4つのプロセスにどのように関わってきたか、また、特にどのプロセスに強みを持つのかにも企業は着目するでしょう。

  1. リスクの特定…事業内容や目的の中で起こり得るすべてのリスクを洗い出す。
  2. リスクの分析…特定したリスクの規模を、発生頻度と発生した際の影響度の両面から分析する。
  3. リスクへの対応…リスクが起きた場合の対応を、リスクコントロール(回避・損失防止・軽減・移転)とリスクファイナンシング(資金手当)の側面から検討し、対応を行う。
  4. リスクの評価…リスクマネジメントが機能しているか、残留リスクがないかを評価する。

社風、業務特性に合っているか

すべての企業にあてはまるわけではありませんが、企業によっては、「自社の社風に合っているか」という観点で、企業の成長曲線のどの段階にある企業で働いていたかに着目したり、「自社で活躍してくれるか」という観点で、自社と親和性のある業種での経験の有無に着目したりする場合があります。

リスクマネジメント(リスク管理)の職務経歴書の項目ごとの書き方

●職務要約

「どのような仕事をしてきたか」が簡潔に伝わるよう、100文字程度でまとめる。

●職務経歴詳細

箇条書きで「できること」を記載する。キーワードを多く盛り込むのがポイント。

<記載項目例>

  • 担当業界や業務知識
  • プロジェクトマネジメント経験
  • 顧客折衝経験
  • システム環境
  • 担当してきたプロジェクトの担当フェーズ
  • 組織マネジメント経験
  • 語学力

●保有資格

仕事に関連する保有資格があれば記載する。

●自己PR

「仕事に対する姿勢・考え方」「志望動機」「経験を活かし、どのように貢献したいか」など。

リスクマネジメント(リスク管理)の職務経歴の書き方のポイント

企業が見ているポイントをふまえて、リスクマネジメント(リスク管理)志望者が職務経歴を記載する際のポイントや、積極的にアピールしたい経験・スキルには、次のものが例として挙げられます。

一文で終わらせず、業務内容を具体的に記載する

一般的にリスクマネジメント(リスク管理)領域は企業機密であることも多いため、職務経歴書で具体的なエピソードに落とし込みづらく、「リスクマネジメント全般を担当」などの一文のみを記載して終わらせてしまうケースも見られます。しかし、個別の課題や取り組み、成果について触れることはできなくても、「どのような業務に携わって来たか」を伝えることはできるでしょう。

例えば、上述した4つのプロセスに沿って、「事業戦略における事業ポートフォリオ分析と財務分析」「リスクを特定し、本事業戦略に与える影響度合いを定量的に分析」「分析結果をもとにリスク回避・分離・分散・移転の打ち手を提言」「提案に対して残留リスクがないかを含めて定期的に見直し」など、書き方を工夫すると良いでしょう。

関連する経験は広く記載する

先述したとおり、企業は「自社が求めるリスクマネジメント(リスク管理)職に必要な経験・スキルを有しているか」という観点で職務経歴書を確認したいと考えています。したがって、これまで経験してきた業務は幅広く、余すことなく記載しましょう。

また、リスクマネジメント(リスク管理)業務に隣接する業務として、財務、IR、監査、法務、総務(危機管理)などの経験がある場合も、漏れなく記載しておきましょう。企業によっては、これらの経験を評価する場合も考えられます。

ニーズが高い経験は記載してアピールする

近年は、事業の目的達成を阻むあらゆるリスクを洗い出し、組織全体で管理する「全社リスクマネジメント(ERM)」の構築を目指し、全社リスクを統合的に管理する人材を求める企業も見られます。以下に挙げるような、全社リスクマネジメント(リスク管理)職の中途採用市場でニーズが高い経験は、職務経歴書に記載しておくとプラス評価につながるケースもあります。
数的根拠を持って課題を設定し、実行してきた経験をお持ちの場合は、多少に関わらず記載しておくと良いでしょう。

  • 運用、投資リスクを測るための財務事業分析、投資環境分析
  • 保険等の法人営業での顧客の事業分析・財務分析、リスクコンサルティング
  • 内部統制、内部監査の実務
  • 経営企画部門などでの経営戦略策定、新規事業計画
  • 金融機関での内部監査、財務分析
  • M&A全般及びPMI支援

マネジメント経験についても明記する

ハイクラス人材の採用となると、ピープルマネジメントの経験も注目されるポイントの一つとなるので、もらさず記載しておくと良いでしょう。

さらに、リスクマネジメント(リスク管理)においては、さまざまなステークホルダーと折衝を行ったり、経営層と直接コミュニケーションを取り、適時の報告と意思決定支援・助言を行ったりすることが重要な業務となります。したがって、経営陣への報告や、経営企画部門等と連携・協働した経験など、部門内の業務に留まらず経営に関与した経験や、それに近い経験があれば明記しましょう。

なお、マネジメントクラスの求人では、プレイングマネジャーとして実務も手がけられる人材が求められるケースが多数あります。部下の指導・マネジメントと同時に、自身で担っていた実務内容がわかるように記載すると良いでしょう。

職務経歴書の書き方の基本

職務経歴書は、内容だけでなく「読みやすさ」と「わかりやすさ」も重要です。特に、経験豊富であるほど職務経歴の記載が多くなり、強みがどこにあるのかわかりにくくなる場合があるため、以下のポイントを押さえてよりアピール効果が高い職務経歴書に仕上げましょう。

事前に職務経歴をすべて書き出し、アピールしたい経験を整理・強調する

職務経歴書を作成するにあたっては、まず、これまでの「所属企業・部署・チーム」「手がけた業務」「成果」「身に付けたスキル」などをすべて書き出します。

その上で、アピールしたい経験・スキルはどれか整理しましょう。職務経験・実績が多い方ほど、そのまま羅列するだけではアピールしたい経験・スキルや得意分野が採用担当者に伝わりにくくなるため、職務経歴書に落とし込む際は次のようにメリハリをつけて記載すると良いでしょう。

  • 職務経歴のうち、アピールしたい経験や強みは、「成果」と「成果に至るまでのプロセスや独自の工夫」を簡潔に付記しておく。そうすることで、読み手が入社後の活躍イメージを描きやすくなる。
  • 特にアピールしたい点は、冒頭に100文字程度の「職務要約」として記載する。
  • これから目指すポジションと関連が薄い経験・スキルは、簡潔な記載にとどめる。

レイアウトを整え、読みやすくする

職務経験が多い、かつ過去に所属していた企業の事業内容や担当業務内容が直近の仕事と大きく異なる場合などは、直近の仕事内容から書き始め、時系列をさかのぼって職歴を記載する「逆編年体形式」のレイアウトにすると読み手に伝わりやすくなります。

また、「年・月」「企業名」「部署名」などの記載位置、各項目の見出し、本文の頭出し位置などを揃え、レイアウトに統一感を持たせましょう。

フォントも職務経歴書全体で統一します。書き方見本が記入された書式をダウンロードして使う場合、見本の文言を流用した箇所と自身で入力した箇所でフォントが異なってしまうことがあるため、注意が必要です。

文章だけでなく箇条書きも活用する

文章だけがつらつらと綴られた文書は、見た瞬間に「読むのが面倒」という印象を抱かれかねません。適度に箇条書きを活用することでリズムや読みやすさ生まれ、採用担当者の負担感が軽減されます。冒頭に「●」「・」をつけたり、項目を【  】で立てたりして、記載情報を整理しましょう。

例えば、次のような項目の記載には、箇条書きを使うとわかりやすくなります。

  • 業務内容が伝わる数字(担当顧客数/マネジメント対象メンバー数/プロジェクトの規模・期間など)
  • 業務で活用した技術、ツールなど
  • 成果が伝わる数字(売上実績/目標達成率など)
  • 課題とそれに対する戦略、独自に工夫したことなど
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アドバイザー

風藤博信

大学を卒業して2年間家業に従事した後、株式会社リクルートに入社。新卒メディアの営業、製造業のリクルーティングアドバイザー、首都圏のナショナルクライアント営業担当を経て、2024年の4月から現職。ハイキャリア部門のスカウトエージェントとして、法務・総務・コンプライアンス・知的財産・リスクマネジメント領域におけるキャリア支援・採用支援に従事。

※本記事での内容は取材時点での情報になります。