【法務】職務経歴書の書き方と見本・テンプレートダウンロード

握手をする人たち

求人に応募する際には、履歴書とともに職務経歴書の提出が求められます。募集しているポジションで活躍できる経験・スキルを持っていたとしても、職務経歴書でそれが正しく伝わらなければ面接へ進むことができません。
そこで、職務経歴書で強みを伝えるための書き方のポイントについて、リクルートのコンサルタントがアドバイスいたします。職務経歴書を初めて作成する方には見本のテンプレートも用意していますので、ダウンロードしてご活用ください。

法務の職務経歴書のテンプレート見本【フォーマットダウンロード】

法務の職務経歴書のサンプルをご紹介します。書き方を参考にしてみてください。
リンク先よりダウンロードも可能ですので、見本を参考にしながらご自身の経歴を記入し、職務経歴書を作成しましょう。

法務の職務経歴書見本

法務の職務経歴書の書き方のポイント

法務の方々が職務経歴を記載する際、意識しておきたいポイント、積極的にアピールしたい経験・スキルなどをお伝えします。

「戦略法務」の経験は詳細を記載してアピールする

昨今の法務の中途採用では、「戦略法務」の経験者のニーズが高まっています。以下に挙げる経験は、職務経歴書に記載しておくとプラス評価につながります。経験をお持ちの場合は、多少に関わらず積極的に記載することでアピール効果が高まるでしょう。

●英文契約のレビュー、現地法人への介入の経験

多くの企業がグローバル展開を図っているため、海外関連業務の経験者のニーズが高まっています。
英文契約のボリュームが増加しており、対応できる法務人材の増員採用が行われています。英文契約のレビュー経験があれば必ず記載してください。
英文契約を手がけた件数、契約業務における英文契約の割合など、実績を数値で示せるものは数値を書き添えましょう。また、海外現地法人への介入、海外子会社のガバナンス強化などの経験もアピールになります。

●新規事業の初期フェーズからの相談対応

産業構造が大きく変化する中で、新規サービスや新規事業に乗り出す動きが活発化。これに伴い、事業サイドから新規事業や新規サービス・プロダクトに関する法務相談も増えています。新規事業の検討の初期フェーズから相談に応じてきた経験があるか、法的障壁の調査をした上でそれをクリアするためにどうしたら良いのか事業部へのアドバイザリー経験があるか、などが注目されています。

●M&A経験

新規事業の創出においては、一から自社で開発するよりも、すでにビジネスモデルや実績を持つ企業を買収・事業提携等をするケースも多数あります。法務職採用では、M&Aの経験があればプラス評価につながります。手がけたM&Aの経験をアピールする際には、以下のポイントが明確に伝わるように記載しましょう。

  • 手法(株式譲渡、事業譲渡、合併、会社分割など)
  • 件数
  • 規模(買収金額などの記載が不可であれば、買収先企業の売上高・従業員数など)
  • 対応国(M&Aの対象となる企業がどの国の企業か)
  • 携わったフェーズ(NDA締結・スキーム検討・基本合意締結・法務デューデリジェンス・M&A契約締結・クロージングにおける各種手続き等)

なお、海外企業のM&Aにあたり、外国語での交渉をされていたのであれば、それを明記しましょう。語学力がある方々はそれを当然のことと考えがちですが、語学力を持つ法務がいない企業では、通訳の利用や、事業部門の語学力を持つ担当に任せてしまっている実情があるため、外国語での直接交渉ができる方は高く評価されます。

「予防法務」「臨床法務」の経験は記載漏れがないように

「予防法務」分野の業務においては、記載したほうが望ましい経験を記載していない方が多く見受けられます。例えば、以下の経験は「当たり前のこと」と捉え、あえて記載していない傾向が見られますが、評価の対象になりますので記載しましょう。

  • コーポレートガバナンス・コード改訂への対応
  • 個人情報への対応(特に「GDPR」を踏まえた社内整備経験)
  • 「リーガルテック」の導入により業務を効率化した経験(できれば工数削減率などの数値も記載)

一方、「臨床法務」分野の業務経験も、職務経歴書への記載漏れがよく見受けられます。
紛争対応、訴訟対応、従業員の労務関連トラブル対応、不祥事対応、懲戒など、経験があれば記載しておいてください。

「事業推進」の経験・マインドがアピール材料になる

冒頭でも触れたとおり、昨今は「攻めの法務」「事業を支援する法務」へのニーズが高まっています。「法律的にOKかNGか」を判定するというよりも、「どうすれば事業戦略を推進・実現できるのか」という観点で法務面でのアドバイスをすることが求められています。
事業部とどのようにコミュニケーションをとってきたか、事業部の戦略を実現するためにどう動いたかなど、エピソードやマインドなどを「自己PR」欄で伝えるとアピール効果が期待できるでしょう。

職務経歴書の書き方のコツ

職務経歴書で大切なのは、まず「読みやすさ」「わかりやすさ」です。
また、経験豊富であるほど職務経歴の記載が多くなり、強みがどこにあるのかが伝わりにくいことがあります。
作成する際には以下のポイントを踏まえ、よりアピール効果が高い職務経歴書に仕上げましょう。

事前に職務経歴を整理し、アピールしたい経験を強調する

職務経歴書を作成するにあたっては、まず、これまでの「所属企業・部署・チーム」「手がけた業務」「成果」「身に付けたスキル」などをすべて書き出します。
ただし、職務経験・実績が多い方ほど、そのまま羅列するだけではアピールしたい経験・スキルや得意分野が採用担当者に伝わりにくくなります。
そこで、職務経歴書に落とし込む際にはメリハリをつけて記載するようにしましょう。

アピールしたい経験や強みについては、「成果」をはじめ、「成果に至るまでのプロセスや独自の工夫」などまで簡潔に記しておくと、読み手が「入社後の活躍イメージ」を描きやすくなります。
特にアピールしたいポイントは、冒頭に100文字程度の「職務要約」を記載しておくといいでしょう。
一方、これから目指すポジションと関連が薄い経験・スキルについては、簡潔な記載にとどめます。

読みやすいレイアウトを心掛ける

職務経験が多い、かつ過去に所属していた企業の事業内容や担当業務内容が直近の仕事と大きく異なる場合などは、直近の仕事内容から書き始め、時系列をさかのぼって職歴を記載する「逆編年体形式」のレイアウトにすると読み手に伝わりやすくなります。

また、レイアウトには統一感を持たせましょう。「年・月」「企業名」「部署名」などを記載する位置、各項目の見出し、本文の頭出し位置などを揃えておきます。フォントもすべて統一しましょう。
書き方見本が記入されているフォーマットをダウンロードして使う場合、見本の文言を流用する部分と自身で入力する部分とでフォントが異なってしまうことがあるため、注意が必要です。

文章だけでなく箇条書きも活用する

文章だけがつらつらと綴られた文書は、見た瞬間に「読むのが面倒」という印象を抱かれるものです。適度に「箇条書き」を活用することでリズムが生まれ、読みやすくなって採用担当者の負担感が軽減されます。
冒頭に「●」「・」をつけたり、項目を【  】で立てたりして、記載情報を整理しましょう。
例えば、次のような項目の記載には、箇条書きを使うとわかりやすくなります。

・業務内容が伝わる数字(担当顧客数/マネジメント対象メンバー数/プロジェクトの規模・期間など)
・業務で活用した技術、ツールなど
・成果が伝わる数字(売上実績/目標達成率など)
・課題とそれに対する戦略、独自に工夫したことなど

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アドバイザー

和森絵美

2008年、株式会社リクルートエージェント(現:リクルート)に入社。新規開拓営業を実施後、グループ会社へ出向し、早期退職後の再就職支援事業に従事。2011年に帰任後、「法務・知的財産(Legal/IP)」職種の転職支援と採用支援に携わっている。一度、2013年に化学メーカーに転職し、人事経験を経て再びリクルートキャリア(現リクルート)へジョイン。人事経験があるからこそ、企業様への経営課題や組織課題にまで深く入り込んだヒアリングを得意としている。

※本記事での内容は取材時点での情報になります。