自営業やフリーランスの経験がある方が転職する場合、履歴書や職務経歴書はどのように書くと良いのでしょうか。ここでは、自営業やフリーランスの経験がある場合の履歴書・職務経歴書の書き方を記載しています。
起業・フリーランス・家業の場合の履歴書の書き方
「起業していた場合」「フリーランスの場合」「家業を手伝っていた場合」の3つのケースについて、履歴書の職歴欄の書き方をご紹介します。
起業していた場合の書き方例
起業して、経営者として会社を運営していた場合は、「設立年月日」+「会社名」と併せて「設立」と記載します。また、会社をたたんだ際には「解散(破産・承継など)年月日」、もしくはたたむ予定であれば「解散予定」と記載します。
書き方例(1)
20XX年6月1日 株式会社 ▲▲ 設立
20XX年12月に解散予定
書き方例(2)
20XX年6月1日 株式会社 ▲▲ 設立
20XX年1月31日 解散
フリーランスで活動していた場合の書き方例
フリーランス・個人事業主として働いていた場合、「活動を開始した年月日」+「フリーランスとして活動を開始」もしくは「個人事業主として開業」と記載します。屋号があれば記載しても良いでしょう。
また、フリーランス・個人事業主としての活動を終えた場合は「廃業」もしくは「活動停止」と記載し、活動を終える予定であれば、「廃業予定」もしくは「活動停止予定」と記載します。
書き方例(1)
20XX年6月1日 フリーランスとして活動を開始
20XX年12月31日 活動停止予定
書き方例(2)
20XX年6月1日 ▲▲設計事務所 開業
20XX年5月31日 廃業
家業を手伝っていた場合の書き方例
家業が法人の場合は、通常の履歴書と同じように「働きはじめた年月日」+「家業の会社名」+「入社」と記載します。会社を辞めた際には「退社」と記載します。
家業が法人ではなく農業や漁業、商店といった個人事業者で、家族従事者である場合には、「家業である●●業に従事」と記載します。仕事を辞めた場合は「退職」と記載します。
書き方例
20XX年6月1日 家業である小売業に従事
20XX年5月31日 退職
事業内容を補足しておくと経験・スキルが伝わりやすくなる
いずれのケースにおいても、履歴書にスペースがあれば事業内容や取引先、会社の場合は従業員数などを簡潔に記載することをおすすめします。自営業・フリーランスでどのような活動をして、どのようなスキル・経験を身につけているのかを、採用担当者が把握しやすくなるからです。もし履歴書に記載できない場合は、職務経歴書への記載でも問題ありません。
書き方例
20XX年6月1日 株式会社▲▲設立
事業内容:WEBページのデザイン・制作。通販サイトを中心に商品紹介ページから申し込みフォーム・決済システム構築まで手掛ける。
従業員数:2名 取引先:アパレル、雑貨関連で約10社
20XX年12月に解散予定
自営業・フリーランス・家業の職務経歴書の書き方
自営業やフリーランスでの活動を職務経歴書に記載する際のポイントをご紹介します。
職務経歴書の書き方のポイント
職務経歴書は、決まったフォーマットはありません。自営業やフリーランスの場合も、会社員や公務員などと同様に、事業内容や経験・スキルを整理して、わかりやすくまとめていきます。
フリーランスの職務経歴書例
自営業・フリーランスの職務経歴書のポイント
転職を成功させるためには、自営業・フリーランス経験者に対して採用担当者が懸念する点を理解しておくことが大切です。
まず、採用担当者が自営業・フリーランス経験者に期待することは、実行力や行動力、経営者視点などが考えられます。一方で、1人もしくは少人数で活動することが多いため、社風やポジションによっては「組織の中で働くことができるのか」「チームの一員として協調して行動できるのか」「すべて自己判断で行動してしまうのでは」といったことを懸念される可能性があります。
また、廃業もしくは活動停止について、「仕事がうまくいかなかったのでは」など、転職の背景に疑問を抱かれることも考えられます。そのため、なぜ廃業に至ったのかを、備考欄に簡潔に記載しておくという方法もあります。
こうした懸念点を踏まえたうえで、自己PR欄を利用して「フリーランスだからこそ、外部の様々な役割の人と関わり、連携することが重要だった」「小さい会社ながらも従業員を雇用し、教育やマネジメントを行っていた」「資金繰りや売上管理、税務などにも強い」など、自営業・フリーランスならではの強みをアピールすることで、これまでに培ってきた経験やスキルを印象づけることができるでしょう。