【例文あり】営業職の志望動機とは?押さえておきたいポイントと求人動向も紹介 

ミーティングの風景

採用選考において注目される要素の一つが「志望動機」です。経験・スキルが多少不足していても、志望動機が採用担当者の心を動かし、採用に至るケースは少なくありません。そこで今回は、リクルートのキャリアアドバイザーが、営業職の求人動向とともに志望動機のポイントを解説します。志望動機の例文も紹介しています。

営業職の求人動向

企業の採用意欲が向上している一方で、労働力人口は不足しており、転職市場でも採用競争が起きている印象です。即戦力のハイクラス人材はもとより、未経験者層にも門戸を広く開けている企業もあります。 

ハイクラス人材は、単に営業スキルが高いだけではなく、プラスアルファのスキルを持っている方が評価される傾向にあります。例えば、マネジメント経験が豊富、業界知識に長けている、交渉力が高いなど、企業ごとに「自社が求めるプラスアルファ」があり、それを保有している方には高い年収を提示するケースが見られます。 

一方で、コロナ禍で採用数を一時的に絞った企業が、現場を担う若手を補充する動きが活発化しています。人材確保のために、未経験者にも裾野を広げる 傾向も見て取れます。また、新卒採用における採用競争が起こっていることを受け、採用充足できていない企業が、学校(高校、専門学校、短大、高専、大学、大学院)卒業後、おおむね3年以内の者とした(学校卒業後すぐに就職する新卒者は除く。また、職務経験の有無は問わない) いわゆる第二新卒を積極採用する動きもあります。 

営業職の転職でアピールできるスキル・経験

営業職の転職で重視されるスキルの一つは「課題解決力」です。この応募者は自社の課題を解決してくれそうか?という点を見ている企業もあります。 

「課題解決力」というと、何をアピールしていいかピンとこない方もいるかもしれませんが、例えば育成力やチームビルディング、ロジカルシンキングなどが例に挙げられます。それらを、応募企業が抱えていると思われる課題に合わせて、アピールすることが大切です。 

なお、意外に思われるかもしれませんが、社会人経験が長くなるほど強みや業務における価値観なども見られる傾向にあります。経験豊富である場合、自身の営業スキルや実績にフォーカスしがちになりますが、「営業スキルの高さは評価するけれど、仕事の進め方や価値観などが自社と合わない」と採用を見送るケースは少なくありません。 

営業職の転職で評価されづらい志望動機の傾向

応募企業に無理に合わせた志望動機は、評価されにくい傾向にあります。多くの企業は、「自社に合わせているのではないか」と気づくケースもあります。 

営業経験者は仕事柄、相手の顔色を見ながら臨機応変に話を変えて、相手に合わせる習慣を持ち合わせているケースもあります。その習慣を、面接の場でも発揮する方が少なくありません。経験豊富な営業ほどその傾向が強く、仮に面接で評価を得て入社したとしても入社後に社風とのミスマッチに悩む方も多く見られます。 

大事なのは、内定獲得をゴールと捉えないこと。自分は転職で何を実現したいのか、自分が仕事で大事にしているポリシーや信念は何なのか、自己理解を深めた上で転職活動に臨むことが大切です。 

営業職の志望動機を書く時のポイント 

営業職の応募書類は、求職者にとってプレゼンテーション資料です。自分を採用するとこの会社にどのようなメリットがあるのか、応募書類全体で伝えることが重要です。 

志望動機も同様です。「志望動機欄なのだから、応募企業への入社意欲や熱意を前面に伝えよう」とする方が多いですが、ハイクラスになればなるほど、意欲や熱意よりも、この会社にどのような貢献ができるのかという「自身のプレゼン」が大切。志望動機欄でも自身を採用するメリットを説明した上で、入社することで自分にもメリットがある(=仕事で実現したいことができる)ことも伝え、「自分が入社することは双方にとってメリットが多く、Win-Winである」とアピールしましょう。 

これは、営業未経験者の場合も同様で、自身のこれまでの経験やスキルがどう活かせると思うのか、自分なりに考えアピールしましょう。「こういう経験が活かせるならば、営業の仕事も早期にキャッチアップしてくれそうだ」と思ってもらえるとよいでしょう  

もちろん、なぜ応募企業を志望したのか、そして応募企業への意欲や熱意を伝えることも大切です。たとえ、自社が求めるスキルレベルには少し足りないと感じても、「この熱量があるならば入社後にキャッチアップできるだろう」と判断され採用されるケースもあります。 

志望動機の基本構成と注意点

履歴書や職務経歴書で志望動機を伝える際には、次のような構成で記載すると採用担当者の納得を得やすくなります。前述のように「自身を採用するメリット」に主眼を置いてプレゼンしつつ、志望動機全体をまとめましょう。 

書き出し

応募企業に魅力を感じているポイントを簡潔に記しましょう。いきなりエピソードから書き始めると、文章に締まりがない印象を与えることもあります。 

応募企業を選んだ理由 

応募企業を選んだ理由を伝えます。これまでの経験も踏まえつつ、「抱いているキャリア上の課題意識」「自身が仕事で大切にしたいこと・こだわりたいこと」などを挙げた上で、応募企業であればそれを実現できると考えていることを記載します。 

活かせる経験・スキル

自身の経験・スキルが、応募企業でどのように活かせるかを伝えます。そのためには、これまで培ってきた経験・スキルと、応募企業で求められている要素との共通点を見つけ出すことが大切です。求人情報を確認し、マッチする経験・スキルがあれば、前面に押し出してアピールしましょう。 

なお、企業が求めている経験・スキルとの共通点が見出しにくい場合には、「仕事の進め方」「企業理念」などに着目し、別の切り口から接点を見つける方法もあります。 

入社後に実現したいこと・貢献したいこと

最後は応募企業で働く意欲が伝わるような言葉で締めくくりましょう。入社後にどのような活躍・貢献がしたいかという意思表示をすることで、採用担当者の期待が高まることもあります。 

営業職の志望動機例文

営業職の求人に応募する場合の志望動機の書き方の一例を、取引相手の種類や仕事内容に分けてご紹介します。 

法人営業

貴社の新規事業を展開するスピードや組織の柔軟性に魅力を感じております。他社に先駆けてSNSを活用したプロモーションを導入された頃から興味を抱いており、貴社で時代の変化に応じた新たな手法の開発に取り組みたいと考えています。

現職では大手企業を中心としたWeb広告の営業経験を積み、リアルイベントとの連動企画なども数多く成功させてきました。貴社においても、スポンサーのニーズに応えるメディアミックス戦略などで力を発揮したいと考えています。 

個人(リテール)営業

貴社の商品力に惹かれており、自信を持って営業ができると感じております。以前、貴社の物件購入を検討したことがありますが、顧客の目線に立った緻密な商品設計や、細かいニーズに対応する営業姿勢などに感銘を受けました。

私は現在、プレイングマネジャーとして部下10人を育成しながら、個人向けの賃貸物件営業を担当していますが、以前から「自社物件を自信を持って販売したい」という思いを持っており、貴社であればそれが叶えられると確信しました。これまで500人以上のお客様を担当し、一人ひとりのニーズや思いに寄り添った営業を徹底してきた経験は、貴社でも大いに活かせると考えています。 

IT営業

顧客ごとの丁寧なカスタマイズを始めとする、貴社の顧客第一の姿勢に共感しています。現職では、○○分野のソフトウェア営業に携り、5年連続、通期トップ営業として表彰されています。顧客のニーズを引き出し、それに丁寧に応えることに喜びとやりがいを感じ、その結果が営業数字につながることに誇りを持っていましたが、近年は数をこなすことを求められるようになり、マネジメントを任されて以降その傾向が顕著になりました。

顧客に寄り添い、カスタマイズ提案を行うことにこだわりを持つ貴社であれば、自身の思いが叶えられ、かつこれまでの経験やスキルを発揮しすぐに業績に貢献できると自負しています。 

MR(医薬情報担当者)

新薬開発力が高く、特に免疫疾患に注力し多くの研究開発費を投入している貴社でMRとして活躍したいと思い志望しました。これまでジェネリックメーカーのMRとして働く中で、貴社の新薬を例に挙げて説明する機会が多く、商品力の高さに触れるたびに「ここで働いてみたい」との思いが強くなりました。

家族が過去に免疫疾患で苦しんだ経験があることから、独自に免疫疾患について学んできましたが、貴社の開発体制の厚さにも感銘を受けました。MRとしての経験やスキルに加え、私は貴社が注力しようとしている○○エリアを5年間担当しており、さまざまな角度から貴社の業績に貢献できると考えています。 

海外営業

大手企業も多数参入しているアジア市場で、後発ながら業界トップ3のシェアを持つ確かな戦略性と商品力を持つ貴社に魅力を感じております。現職では主力事業の海外営業部隊をマネジメントした経験に加え、中国での新規事業展開でのマネジメントも経験してきました。アジアを軸に欧州へと事業を展開し、次のステージに向かう貴社の営業組織の体制再編や仕組みづくりに貢献し、安定的に業績を挙げられる営業組織を構築していきたいと考えています。 

営業未経験者

「顧客満足」を追求したく、顧客満足度の高さに定評がある貴社に興味を抱きました。これまでラグジュアリーブランドの店長として、お客様の満足度向上にこだわってきました。しかし決まった商品の中では独自でできる工夫は限られるため、個人の力をより活かせる営業職、そしてお客様の人生に深く関われる保険業界にチャレンジしたいと考えました。

綿密なカウンセリングを大切にする貴社の方針に深く共感しており、これまで身につけた個人のお客様とのコミュニケーション力とホスピタリティを活かして貢献したいと考えています。 

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廣田 崇

2007年にリクルートに中途入社し、営業領域のキャリアアドバイザーを12年、法人営業として企業の採用支援を4年経験。個人と法人、双方の立場を理解した上で、入社をゴールとせず、入社後の「定着と活躍」にコミットしたアドバイスを信条としている。

※本記事での内容は取材時点での情報になります。