【例文あり】自己PRの書き出しのコツは?注意点とNG例も紹介

履歴書や職務経歴書を作成する際、職務経験の記載だけでは伝わりにくい人柄や強みを伝えるために、「自己PR欄」を活用しましょう。ただし、採用担当者は多くの書類に目を通しているため、アピールポイントがより伝わりやすい工夫が必要です。最初の一文で興味を引くことができれば、自己PRの本文を読んでもらえる確率が高まります。そこで、自己PRの「書き出し」について、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏にアドバイスいただきました。3通りの方法をご紹介するので、自身が伝えたいポイントや目的に応じて書き出し方を選んでください。

自己PR書き出し【1】 強みをキーワードで伝える

自信を持っているポータブルスキル(業種・職種問わず持ち運びできるスキル)は、書き出しで打ち出しましょう。例えば、「論理的思考力」「課題分析力」「交渉力」といったものです。特に、未経験分野に応募する場合、採用担当者に「自社でも活かせそうだ」と期待されるような強みを伝えると効果的です。求人情報から応募企業が求めているスキルをつかみ、それに合致する自身のスキルをピックアップしましょう。

以下のような一文で書き出し、続けてその強みを裏付けるエピソードを記してください。

<書き出し例文>

  • 私の強みは、社内外の人々に向けて「働きかける力」「巻き込む力」です。
  • 私が強みとするのは、数字の分析によって課題を発見することです。

自己PR書き出し【2】 経験職種での実績を伝える

応募職種での即戦力性をアピールしたい場合、その職種での実績や成果から書き出しましょう。また、これまで異動や転職などで複数の職種を経験してきた方の場合、「応募企業で活かしたい職種経験」について、自己PR欄を使ってアピールするといいでしょう。

以下のような一文で書き出し、続けてその成果を挙げられた理由(戦略・行動・工夫など)を記しましょう。

<書き出し例文>

  • 営業チームリーダーとして、目標120%~150%達成を1年間継続しました。
  • 人事担当として、新たな評価制度を提案・導入し、エンゲージメントの向上につなげました。

自己PR書き出し【3】 仕事へのこだわりを伝える

仕事へのスタンス・志向・価値観・人柄などをアピールしたい場合は、「仕事へのこだわり」から書き出しましょう。企業ホームページや採用ページなどで発信されるメッセージから、応募企業が重視しているポイントを掴み、それが自身と一致していれば、自己PR欄に記載しておくのも有効です。「自社の社風に合う人物」という評価につながりやすくなるでしょう。

以下のような一文で書き出し、続けてそのこだわりが発揮されたエピソードを記すことで、採用担当者は仕事ぶりをイメージすることができます。

<書き出し例文>

  • チームマネジメントにおいて、個々のメンバーの強みを引き出し、伸ばすことに力を入れてきました。
  • 常に「生産性アップ」にこだわり、業務を効率化するための改善に取り組んできました。

自己PRとは?転職活動を始める前に知っておきたい基礎知識

採用選考に臨む際の「自己PR」とは、「応募企業にどう貢献できるか」をアピールするものです。自身の「強み」を伝えるため、職務経歴書に「自己PR欄」を設けて、職務経歴の羅列だけでは伝わらないスキル・実績・取り組み姿勢などを記載します。自己PR欄の内容が興味を持たれれば、「より詳しい話を聞いてみたい」と、面接に招かれる確率が高まります。

必ずしも、ハイレベルな能力や実績を書かなければならないわけではありません。「日々の努力や工夫」「仕事をする上で大切にしていること」「人と接するときのスタンス」といったことも、自己PRとして通用します。

自己PRの基本構成

自己PRの効果を高めるためには、以下の構成を意識して文章を作成しましょう。

【1】書き出し

「私が強みとするのは、取引先および社内の複数部署との協調性です」など、アピールしたいキーワードを簡潔な一文で打ち出します。

【2】【1】を裏付けるエピソード

最初の一文で打ち出したアピールポイントについて、これまでの経験の中でどう発揮されてきたのかを読み手がイメージできるよう、具体的なエピソードを記します。
開示できる範囲内で数字や固有名詞なども盛り込むと、手がけてきた仕事の規模感やイメージが伝わりやすくなります。
ただし、長文をダラダラと書くと要点が掴みにくくなります。200~400文字程度にまとめてください。

【3】成果

【1】の強みが発揮され、【2】のプロセスを経て、成果が挙がったことがあれば記載します。
数字や周囲からの評価などを交えると、成果の規模や影響力が客観的に伝わります。

【4】締め

応募企業で働くことへの意欲が伝わるような言葉で締めくくりましょう。
入社後にどのような活躍・貢献がしたいかという意思表示をすることで、採用担当者の期待が高まります。

自己PRの書き出しの注意点とNG例

自己PR文を作成する際、「要約」ではなく「エピソード」からスタートすることは避けてください。何を伝えたいのかがわからない状態で進んでいくのは、読み手にストレスを与えます。「読み手への配慮がない」「伝える力が乏しい」といったマイナス評価につながりかねませんので、注意しましょう。

<書き出しのNG例>

ある担当顧客から「○○してほしい」という要望を受け、過去に例がないため断ることも考えたのですが、関連部署の担当者に相談をして対応することに。結果として、実績の1.5倍の受注をいただくことができました。こうした柔軟性を活かして、貴社の業績に貢献したいと考えております。

【アドバイザー】

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

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